PS4『チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!』愛の証明終了

プラチナトロフィー
PS4版『チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!』への愛を証明終了 (トロフィーコンプリート) しました。
記憶が薄れる前に良かった点や「ここはちょっと……」と思った点を書き記しておきます。

タイトルロゴ
まずはさっさと総評から。
「良い点もあるけど悪い点が多すぎ&目立ち過ぎて間違ってもオススメできないゲーム」でした。
「名作ローグライクRPGをあらかた遊んだ人が気分転換に手を出すのなら止めはしない」ぐらいの評価ですね。

細かい部分への評価はここより下へと読み進めてください。

キュウ!
ゲームを開始して早々、チョコボとモーグリのキャラクターに心が折れかけ。
前者は露骨すぎる可愛さ押し、
ダンジョンヒーローX
後者はあまりにも寒すぎるギャグノリがひたすらに苦痛でした。
しかしこれはどう見ても女子供狙いのこのタイトルに自ら手を出した私の自業自得ですので奥歯を噛み締めて堪えます。

ゲイル市長 (1)
可愛らしいキャラクターモデルに反してストーリーは暗めの重め。
ゲイル市長 (2)
市長も、神父様も、噂好きのおばさんも、カフェの看板娘も、公園で遊ぶ子供達もチョコボが話しかければ苦悶の表情で頭を抱えてうずくまります。
ゲイル市長 (3)
物語まで愉快で明るいライトノリだったらプレイを断念していたかもしれないのでこの味付けは大変にありがたかったです。
燃え盛る世界を背景に絶望するゲイル市長
燃え盛る世界を背景に絶望するゲイル市長なんか最高でしたね。
ハンナ
「ねぇ、あんた知ってるかい? もう生きていたって無駄なのさ。ウワサが教えてくれたんだよ。」

メニュー
操作周りのシステムは「古臭い」の一言。
次の行動選択点まで自動で移動してくれる「ロングダッシュ・ゆらぎダッシュ」に該当するシステムは無し。
多用するアクションを割り振れるショートカットキーはL1+○×□△の4枠。

ローグライクRPG開発界の雄、株式会社マトリックス製品に慣れた現代人にとってこの古臭さは正直厳しいです。
2007年発売『チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮』、2008年発売『シドとチョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮DS+』をおそらく当時のシステムほぼそのままにリメイクした結果がこれなんでしょう。
そりゃこうなりますよ。

ジョブポイント&バディポイント
1キャラ分の幅しかない通路で敵を倒した際、ドロップするジョブポイント・バディポイントが自キャラの足元にも落ちる仕様は不親切の極み。
一本道の通路では敵を倒して進行方向に進むだけでドロップ品は全て拾えるようにするべきではないでしょうか。
「足元」周りのシステムも平凡なこのゲームでこの仕様は「テストプレイの際に誰も何も言わなかったのか」と疑問に思うレベル。
一度のダンジョン攻略で何千ターン・何万ターンと過ごすゲームなのでこの辺りの快適性は追求されて然るべきだと声を大にして言いたい。

本を持ちきれるだけ拾った
そんな中でおそらく唯一、アイテム「本」が持てる回数分だけ自動で合成される点は文句なしの親切さでした。

ディア
ジョブを育ててアビリティを修得する楽しさは紛うことなきロールプレイングゲームのそれ。
これが『オメガラビリンスZ』『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』とローグライクゲームを立て続けにプレイして「そろそろお腹いっぱい」感のあった私にはバシッとハマりました。
逆に「久しぶりに『不思議なダンジョン』で遊びたい」という方が手に取ると「なにか違う」感が強いと思います。
幸運な出会いのタイミングに感謝。

ジョブチェンジ&バディチェンジ
レベルを上げながらチョコボのジョブ&アビリティとバディの特性&アビリティを見比べて最強のチームアップを考えるのが最大の面白ポイント。
アビリティを使うのに必要な SP はモリモリ自然回復するのでガンガン使ってサクサク進めるのも良いですね。
ただ、アビリティの演出は総じて長めでゲームのテンポ自体は劣悪です。
先述の「サクサク進める」はゲームの歩を進めるという意味で、アビリティを使う毎にゲームのテンポは死んでいきます。

大部屋モンスターハウス
モンスターの AI もテンポ絶対殺すマン仕様で大部屋モンスターハウスなんかもう最悪ですね。
こちらに気付いたターンから敵モンスターのアビリティ祭りが始まる (接敵する前から補助・バフ系アビリティをガシガシ使い始める) ので絶望的なテンポ感です。
その上モンスターの湧きも爆速。
特に大部屋モンスターハウスは常時モンスターが同部屋内に一匹は居るようなペースで湧く (湧き位置次第では一時的に0匹にすることも可能) ので、お楽しみの床落ちアイテム確認タイムですらが苦痛。

フローター・シェイド
物理攻撃を無効化する「バリア」、魔法攻撃を無効化する「マバリア」、行動速度を倍加する「ヘイスト」を織り交ぜてくるコウモリ系モンスターは遅延行為の化身で不快の権化。

マバリア
ボスの発狂モードは大体「マバリア」で無効化して解決。
どのボスと戦ってもこんな感じなのでワンパターンの激浅。
ただ「深層まで時間をかけて潜って初見殺しのボスでやり直し」では心が折れかねないので、ライト層向けのこのタイトルはこれで正解なのかもしれません。

鉄巨人:鋼は攻撃をかわした!
また、アビリティがガンガン使える上に必中なのでそれとのバランス取りで通常攻撃の命中率はローグライクゲームの中でも低めに設定されている印象。
ラスト一発を必中させるためにテンポの悪いアビリティを使った方が良かったりするのがまたストレス。
かなり甘えた意見になりますが「本編クリア後のダンジョンになら通常攻撃必中効果の印を持つツメを用意してくれても良かったのでは」なんて心の底から思ったり。

ジュークボックス
BGM はファイナルファンタジーシリーズの名曲達のアレンジで好評絶賛。
どうでもいいけどジュークボックスはカフェじゃなくて預かり所に設置してもらいたかったですね。
ジュークボックス解禁後はカフェにゲーム的な役割がありませんので。


2021/04/04 追記

十字キー操作のみの操作で「バディとの位置関係を保ったまま移動」、×ボタン+十字キー移動で「従来のゲームと同じようにバディと入れ替わりながら移動」という仕様だったのは素晴らしかったです。
これにより隊形を保ったまま後退することが可能になり、敵との隣接状態から後退する際にパートナーが無駄に被弾せず済むようになりました。

バディのアビリティをプレイヤー操作で発動できる点も良かったですね。
CPU 判断による自動発動だった『オメガラビリンスZ』と『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』ではアクティブスキルを使って欲しいタイミングで発動してくれることは滅多になくパートナーの選択はほぼ趣味という有り様でしたので。
アビリティのみならずキャラクター特性も種族ごとに大きく違いゲーム性の向上に大きく貢献していました。

装備を変更する度にチョコボがポーズを取るのはテンポが損なわれていてマイナスポイント。
強力な首輪を切り替えながらガシガシ進めたいのに、いちいちゲームの進行が止まるので首輪の着け替えが面倒になるという罠。
先述した「チョコボの可愛さ押し」戦略の一環なのかもしれませんが、この鳥畜生への憎しみしか抱きませんよこれじゃあ。